昭和40年の頃、コネを使ってある観光バス会社にアルバイトで入り、冬場の毎週土曜日に出発するスキーバスの助手として楽しい経験をした思い出がある。
土、日の二日間で2500円の収入だが、往復に立ち寄る大きなドライブインでは乗務員が大歓迎され、運転手さんは2000円、助手は1000円の臨時収入があり、往路と復路となるのだから有り難く、毎週末に4500円の小遣いを稼いでいたことになる。
当時の4500円と言えば、若い私の年代にあっては大金。仲間が郵便局の配達員や百貨店のお歳暮配達員のバイトをしていたが、実入りとしても群を抜いていたバイトだったと思う。
収入は時折に予想もしなかった心付けをいただくこともあった。ひとつなら運転手さんだけにしていたが、中には二つも用意くださることもあり、それこ臨時収入と呼ぶ有り難いものだった。
ドライブインでの休憩時間は30分だが、乗務員専用のコーナーがあり、「帰りも寄ってね」とか「来週も寄ってね」と言われて蕎麦やうどんが食べ放題。50名近くが乗車されているのだから売り上げがかなり大きい筈。運転手さんの間では互いの情報が交わされていたようだ。
これでお客さんと一緒にスキーを楽しんでいたのだから最高に羨ましがられたアルバイト。
行き先は神鍋高原や戸倉スキー場だったが、現地での駐車場スペースの確保やタイヤチェーンの装着や取り外しの手伝いは冷たいし汚れるので大変だった。
若い女性ばかりの団体が特に大変。最後部の窓からソリを入れ込み、走行時に揺れても崩れて来ないように積み上げる作業には苦労があったが、何やら自然に競争原理が働くみたいで、快く手伝ってくれたり、様々なプレゼントを貰ったので大歓迎だった。
全員が乗車されて出発となるが、そこで「本日は**観光バスをご利用くださいまして」なんてマイクでアナウンスをしなければならないし、摂津と丹後を結ぶ摂丹街道はカーブが多く、網棚の荷物が落ちてこないようにと案内するのも仕事で、運転手さんから「お前、会社のガイドよりうまく喋るな」なんて言われたこともあったが、「次カーブ、前方からライトあります」という情報も伝えていた。
そんな恵まれたアルバイトだったが、世の中はそんなに甘くないもの。考えてみれば当たり前のことだが、スキー場に午前5時頃に着き、夜明けと同時にゲレンデでスキーを楽しみ、夕方に現地を出発するのだから睡眠不足は当然のこと。車内の暖房が効き始めると睡魔に襲われ、助手席でついウトウトしてしまうのが運転手さんに申し訳なかった。
市内で指定される出発場所は様々。団体で貸し切られた会社に着けたこともあったが、印象に残っているのは国立病院の横にある大塩平八郎の碑の前。上町筋で心配だったが、午後11時ぐらいの出発なので交通量が少なくて問題がなく、今では想像もつかない長閑な時代だったと言えるだろう。
どこの家にも卓上計算機があるし、世の中はコンピューターの時代。団塊世代が小学生の頃、多くの小学生が競うように「そろばん教室」に通っていたそうだ。
今でも「珠算教室」があるし、全日本大会などが開催され、暗算技術の凄さに驚嘆させられるが、一つのことを習得する際に意外なことを学ぶこともある。
珠算教室で教えられたことで伝票計算というのがあったが、先生が面白い問題を出して問い掛けてきた。それは、答えを書くための「鉛筆」についてだが、「始め」まで机の上に置いておく時、ペン先を手前にするか前方を向けるべきかということで、正解は手前に向けておくだった。
それだけで「0.何秒」かの時間差異が生じるそうで、「級」から「段」の世界に進むには、そんなことまで考慮するべきと言われたことが印象に残っている。
競争社会と言われる現在の世の中、「お受験」なんて寂しい響きの言葉も飛び交っているが、塾ビジネスに振り回される親も気の毒なら子供が哀れでならない思いがするこの頃ではないか。
昔、高レベルな学校を目指す塾に対抗し、逆転の発想をして大成功となった塾の存在があった。それは、一流校へ行けるのはほんの数パーセントの子供達。それ以外の子供達をターゲットにする方が生徒が集まり易いという発想で、それが見事に的中し、長らく栄華のビジネス展開をしていた歴史がある。
超一流校では、同級生が風邪で休んだら「これで敵が遅れる」なんて考える恐ろしい生徒もいたそうだが、そんな子供達が一流大学を卒業して官僚になったら大変ではないか。ああ恐ろしき世の中だ。
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