葛飾北斎と聞けば江戸時代の浮世絵師ということくらいしか知らなかったが、実はこの人、世界で最も有名な日本人だそうである。
1999年刊行のアメリカの著名雑誌『Life』で「この1,000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に日本人として唯一人だけ第86位にランクインされている。
彼の代表作「富嶽三十六景」や「北斎漫画」は小学校か中学校の社会科教科書には載っていた。情けない話だが私の知識レベルはその程度。北斎が画家ゴッホや作曲家ドビュッシーなどに大きな影響を与えたことなども初耳だった。
2010年の生誕250年を記念して、2012年2月1日から3月25日まで京都文化博物館でホノルル美術館所蔵品を公開した「北斎展」が開かれている。
生涯に30回改号し93回転居したエネルギッシュな人。ある意味で血の気の多い人であった。生涯で3万点を越える作品を描いたというからそのスピードもすごい。常人ではない。だから記憶にも記録にも残る仕事ができたのだろう。
「富嶽三十六景」は70歳過ぎの作品だ。それはそれでビックリするが、もっと驚くのはその後で「これまでに描いたものは取るに足りない」と代表作を含めて過去の自分の作品を一蹴しているところだ。
享年90歳。当時としては驚くほどの長寿だが、ご本人は100歳まで生きてもっと多くを描きたかった。富嶽百景という絵本の後書きにその気持ちを記している。75歳の時である。
「私は6歳より物の形状を写し取る癖があり、50歳の頃から数々の図画を表した。しかし、70歳までに描いたものは取るに足らぬものばかりである。73歳になってさまざまな生き物や草木の生まれと造りをいくらかは知ることができた。ゆえに86歳になって腕は上達し、90歳にして奥義を極め、100歳に至っては正に神妙の域に達するであろうか。100歳を超えて描く一点は一つの命を得たかのように生きたものとなろう。願わくば長寿の神には、我が言葉が世迷い言などではないことをご覧いただきたい。」
高い理想を持ち、その頂に向かって常に登っていく姿勢をもっていた北斎。彼のような人を天才というのだろう。爪の垢を煎じて飲ましていただこうと思う。
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