信じ難い話だろうが、私が「変なオジサン」と言われる所以の一部としてしたためておこう。
随分と昔のこと。九州にある妻の実家から両親を招き、行きたいところは?と親孝行を。
「京都へ行きたい」となったのでJR京都駅からタクシーを6時間契約でチャーター。誰もが知る神社仏閣を何箇所かを回り、やがて昼食時間を迎えた。
運転手さんに告げた行き先は貴船。右源太か左源太のどちらかだったが、やがて到着したところで「すき焼き」を注文していた。
気になっていたのは運転手さんのこと。午前10時に乗車して午後4時までの時間契約。そこで運転手さんの昼食はどうするの?と言うこと。気になったらどうにもならず行動するのが困った性格。下駄を借りて玄関を出て駐車場に行くと、シートを倒して休まれているようだった。
運転席のガラスをノックしたら驚かれ、すぐに降りて来られたので昼食のことを確認したら「今日は、時間契約のお客様に出会って幸運でした。お客様を午後4時に京都駅にお送りしてから食べますから」と返された。
それを聞いて「そうですか」と部屋に戻ったのだが、何やら落ち着かず、待たせて食事するのが気の毒になり、<午後4時過ぎの昼食!?>と考えるとどうにもならず、料理の準備を運んで来た仲居さんに頼んで一人前を追加。そして運転手さんを呼んで貰うことを依頼した。
それから数分後、おどおどしながら部屋に来られた運転手さん。「勝手だけど。これも何かの出会い、つまりご仏縁なのだから一緒に食べてください」と言ったら、後退りして廊下へ出てしまったので困ったが、助け舟を出してくれたのは仲居さん。「もう、こうして運転手さんの分のお料理まで運ばれていますよ。せっかくのご厚情なのだから。はいはい、こちらへどうぞ」と、増やされた座布団の席に無理やり着かせようとしてくれた。
それから「すき焼き」が始まったが、運転手さんから聞いた京都の様々な話題が最高に面白かったし、今は亡き両親の旅の思い出ページを確実に増やしてくれることになった。
「30年以上タクシーに乗っていますが、こんなことは初めてのことで二度とないでしょう」との言葉に、「婿どんは、太か心の持ち主じゃ」とえらく満足された様子の義父の言葉が嬉しかった。
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