
「池上 彰」という名を知らない人は少ないだろう。今もっとも、言論界やマスコミに影響力のあるジャーナリストの一人である。
私は、昔々NHKで放送していた「週刊こどもニュース」で初めて彼を知ったが、挿絵や小道具を使った子供にも(大人にも)わかりやすい説明が印象に残った。
その後池上さんは、NHKを退社し、今はテレビの報道・バラエティ番組などに次々と出演し、著書も出して幅広く活動されておられる。
彼の才能の最たるは「難しいテーマであっても噛んで砕いて相手に理解させる説明力」である。それがなければ今の活躍はなかったかも知れない。
最近発売された『週刊朝日』3月13日号で、彼はNHKを辞めた理由を明らかにしているが、ちょっと意外だった。
周到に準備して辞めたわけではなく、その時点では次なる自分の目標が定まっていなかったからだ。へぇ...
慶應義塾大学卒業後、NHKに入局した彼は一貫してニュース解説委員を志望していたが、局から拒否され続けてきたという。
以下、対談相手はNHK時代の同僚でフリーランスアナウンサーの大塚氏。
池上:(中略)俺のNHKに入ってからの夢の挫折は解説委員になれないことだったんだよね。「こどもニュース」への出演は自分の意思でなく業務命令だったことも明らかにしている。
大塚:それもまた珍しいね。
池上:NHKの記者の場合、生涯一ジャーナリストで現場で取材ができるって、解説委員しかないわけだよね。で、こどもニュースをやっていたら解説委員長に呼ばれて、「お前、解説委員希望ってずっと出し続けているけどダメだ」と。
大塚:ダメだったの?
池上:あなたがアナウンス室で言われたのと同じ衝撃でさ、解説委員というのはある専門分野をもっていなきゃいけない。お前には専門分野がないだろうって言われてさ。
大塚:ひっでえこと言うなあ!(笑)
池上:で、2005年の3月31日、キリのいいところで辞めた。仕事のあては、本を書く話が2冊。とりあえずこれで1~2年は食っていけるかなと。
もっと順調に来たのかなと思っていたらイロイロあったんですな。だからこそ今の彼があるのかも知れない。

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